プロダクト開発部の大羽田です。
2021年1月にREADYFOR内で誕生した [プロダクトエンジニア] について紹介したいと思います。
まず[プロダクトエンジニア]という名称は役割も市場で定義がなく、採用文脈でいうと名称すら存在していません。いくつかの会社で独自の定義があったりしますが、認知の低い名称という認識を持っています。 その中で、READYFORでは [プロダクトの価値を生み出す開発に軸足を置くエンジニア]という定義づけを行っています。 プロダクトエンジニアの誕生した背景、役割、認知の低い名称を採用した理由等を伝えていければと思います。
プロダクトエンジニアが必要な背景
READYFORはサービスが立ち上がってから既に10年以上経っています。 その間に多くの機能が追加されプロダクトとしても大きく成長してきました。 サービスと共に組織が拡大していき、各部署に専門性の強いメンバーがジョインして個々のValueが発揮できるようになり、とても良い状態に向かっています。 一方で部署間の連携によるコミュニケーションコストの増加や、技術的負債も徐々に溜まってきている現状があり、今後サービスの品質・開発速度の向上も踏まえてエンジニアリング本部としても体制を構築する必要が出てきました。 プロダクトを進めながらシステム基盤をしっかり固めていけるように、エンジニアリング本部ではプロダクトに軸足を置くエンジニアと、足元をしっかり固めていくエンジニアの両輪でプロダクトを支えていく体制を組んでいくことになりました。
プロダクトエンジニアの役割
プロダクト課題は多岐にわたるため、企画・分析・オペーレーションチームなど様々な部署と連携していく必要があります。 各部署と連携する動きをすることにより、最小の施策と理想的な施策をエンジニアでも検討していきます。 プロダクトを進める上でスケジュールというのは大きな判断軸にもなり得るので、効果とコストを考慮した選択肢が早い段階でわかる事は、事業戦略的にも大きな効果があります。 開発を行うという担当領域からさらに一歩踏み込んで課題をエンジニアリングしていく役割になります。
- エンジニア視点での課題に対する根本解決と簡易解決の提案・判断を行い、開発効率のバランスをとっていく
- 事業部署からの相談を受け実現方法を一緒に検討していく
- 開発面でのリスクを早めに提示することにより、事業の判断軸を増やす
- 施策の意図を理解し、開発に集中できる状態を作る (スコープ整理、SprintBacklogの検討)
- 欲しいデータ指標があれば積極的に取りに行く、また取れる状態を作る
プロダクトエンジニアという名称について
名称については定義が曖昧にもかかわらず、すんなり決まりました。 それは[プロダクトの価値を生み出す開発に軸足を置くエンジニア]という明確な役割が先に定義されていたからです。 [フルスタックエンジニア]というスキル軸ではなく、成果と役割を軸とした名称を用いることにしました。
プロダクトエンジニアに求められるスキル
プロダクトエンジニアは課題や施策について踏み込んでいく為、スキルのカバー範囲が広くなります。 一般にT型と呼ばれるようなスキルが必要になってきます。
T型スキルに関しては、こちらの記事が詳しく説明されているので参考にいただければと思います。 深く掘り下げる部分が必要なのは、エンジニアとして強くある事が一番大事だからです。 企画チームの強み、分析チームの強み、エンジニアの強みを活かせる状態を作り、チーム間の連携をスムーズに進めていく事が狙いです。 その為連携先の知識(スキル)を理解しておく事が必要になります。
プロダクトエンジニアとしてのキャリア
プロダクトエンジニアで経験を積むと様々な知識を業務内で得ることができ、未経験の領域にも関わる機会があります。 T型のスキルでもあるように、1つを突き詰めることも出来ますし、数字に強くなりたいとなった際にそちらのスキルを伸ばしたりと選択肢が拡がります。 また、業務上の知見も広がるため、エンジニアリングの強みを生かしたPdM的な動きをしていく事もできます。 自分次第で様々なキャリアを描く事ができるのは、大きな魅力だと思います。
プロダクトエンジニアという職務について、市場では名称・役割の定義がない、もしくは認知が低いと冒頭で述べましたが、今後どのような会社でも必要になる役割・スキルだと考えています。 世の中にこのような開発を希望するエンジニアも多いと思いますので、しっかりと「プロダクトエンジニア」と名称・定義をつけ、その価値を明確にすることで、キャリアも開かれると考えています。
まとめ
まだ社内的にも詰めれていない部分もあり、課題も多くありますが市場に[プロダクトエンジニア]というのを作っていけたらなと思っています。 概念的には特に新しいものでなく、同様の動きをしているエンジニアは市場にたくさんいると思っています。[プロダクトエンジニア]について、一緒に考えたり意見いただけるようであれば、ぜひ連絡いただけると嬉しいです!