READYFOR Tech Blog

READYFOR のエンジニアブログ

コドモンさんのミノ駆動本輪読会に呼ばれました

こんちはー、リファクタリング大好きなミノ駆動です。

私は初級〜中級向けのソフトウェア設計入門書『良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門』(通称「ミノ駆動本」)を2022年4月に出版しました。 拙著はありがたいことに、さまざまな勉強会グループや企業さんでの輪読会で用いられていると聞きます。 この記事は、株式会社コドモン のエンジニアさんからお呼びを受けて輪読会に参加したレポートです。

召喚の儀(ことのはじまり)

「輪読会に召喚したい」的な雰囲気をTwitterで感知したので、私は次のようなツイートをしました。

すると、コドモンさんのエンジニアさんから、次のような反応がありました。

このあとDMで日程等を調整し、輪読会に参加する流れとなりました。

コドモンさんの輪読会

コドモンさんは、保育・教育施設向け業務支援ツールを提供されている企業です。

www.codmon.com

コドモンさんでは、私のミノ駆動本を用いて、次の記事にあるような輪読会を実施されたそうです。

tech.codmon.com

学んだ内容が開発に早速活かされているそうで、著者としてとても嬉しく思います。 また、ストレスなく輪読会を進められるよう毎日スモールステップで開催したりなど、なるほど!と学びになる記述も見受けられました。

今回の輪読会でやったこと概要

  • GoogleMeetでのオンライン輪読会
  • 所要時間:1時間
  • 参加者

私はコドモンさんの輪読会の最終回に参加する形になりました。 以下が実施されました。

  • 感想の共有
  • 本で得られた学び、気付きの共有
  • 本の内容の追加解説

得られたこと、感じたこと

下記スライドにあるように、本で得られた学び、気付きがふせんに書かれてありました。 多くの学びがあったことが伺えます。

speakerdeck.com

コドモンさんはサービス開発がスタートしてから7年が経過し、蓄積した技術的負債の解消に向けて取り組まれているとのことです。 弊社READYFORのサービスもローンチから11年、技術的負債解消のために私はREADYFORに入社したのですが、やはり数年も経過すると負債で苦しくなるのはどこも同じだと感じます。

技術的負債は、蓄積しないように日々の業務で小さくリファクタリングしていくのが良しとされています。 しかし巨大な負債が一旦蓄積してしまった場合、個人的な改善活動では解消困難です。 組織的な対応が必要になります。

組織的な活動としては、アーキテクトが中心となって全体設計改善の舵取りを策定する他、負債が作り込まれないようエンジニアリングチーム全体の設計リテラシー向上に努めなければなりません。 つまり、メンバー全体の設計スキルを向上させたり、設計方針の目線合わせをしなければなりません。 こうしたチームビルディングは大変骨が折れる仕事で、私自身過去に勤めていた会社で失敗した経験があります。

この輪読会で嬉しかったのは、「ミノ駆動本が負債解消のための共通認識を作るのに役立った」とのご感想を得られたことです。 ミノ駆動本は開発生産性を向上させ、サービスが常に成長し続けられることを主眼に執筆した本です。 私がこれまで苦労してきたこと、失敗してきたこと、そこから得た学びを込めた書籍が、こうして現場の取り組みに実際に寄与できたことを受けて、本当に著者冥利に尽きます。ありがたいことです。

そしてコドモンさんのご意見やご感想を聞いて改めて感じたのは、負債の構造や、負債が作り込まれる陥りがちなポイントは、やはりどのサービスでも同じだということ。 ミノ駆動本は、特定のIT分野に限定せず広く活用できることをコンセプトに執筆しました。 広くさまざまな状況に応じた内容をカバーできて良かったと感じます。

ところで私の観測範囲にすぎませんが、新卒でプログラミングの仕事を始めても、勉強習慣のないまま4、5年も経過するとプログラミングスタイルが固着化しがちです。 特に設計スキルが浅いままで慣れてしまうと、技術的負債を作り込むことに抵抗感がなくなってしまうように見受けられます。 だから最初の数年で勉強習慣を身に付けるのは、基礎を足固めする上でとても大事です。 コドモンさんの輪読会には、お若いエンジニアさんが沢山おられました。 勉強が当たり前の雰囲気を感じましたし、若いエンジニアさん全体の設計スキル底上げにつながっている感触がありました。 こうしたことから、コドモンさんのプロダクト開発は、今後生産性が向上してもっと良くなっていく期待感を覚えました。

おわりに

他社さんとのタイアップ交流はイベント開催などでよく見られますが、輪読会での交流はなかなか珍しいのではと思います。 お互い苦労を共有し合ったり新たな発見があったり、普段の仕事では得られない、今後の成長のキッカケになる刺激を得られました。

こうしたタイアップ輪読会や技術交流がもっと活発になり、社会的に広く技術向上、事業成長、そして経済成長へとつながっていけばと思います。